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40.たったひとことで子どもは変わる

「○○(自分の名前)は探すの苦手なんだ~」

小学校1年生の次女に探し物を頼んだらそうつぶやきながらやんわり断られました

これはわたしが何回も次女に言ってしまったことでした

「目の前にあるでしょ!なんで見つからないの!探すの下手なんだから~!」

忙しい朝、帽子や水筒を忘れて登校しようとする次女に

なんども言ってしまったことでした

いま、必死でフォローにまわっています(笑)

わたし「○○は、すばしっこい肉食動物だからまっすぐ前しか見えないんだよね~」

次女「がおーー!」

取り返しのつかないことを何度も言ってしまった自分の愚かさを反省しつつ

大人が何気なくこぼす言葉でさえも子どもは敏感に感じ取り、

変化していくのだと

良きにつけ、悪しきにつけ

気づくのです

 

「君の文章にはいちいち感動を覚えるよ」

自宅店舗(商店の子でした)に深夜忍び込んではカップ麺を毎日食べて

夏休みの間に15キロも太った(爆!)という衝撃体験のあるAくんは

背筋の曲がった、周囲からもだらしないわね~という目で見られるような子でしたが

なにしろ文章がうまい

「そうですかあ~~~??」

聞けばそんなこと言われたことないと言います

でも、わたしは彼の文章が好きでした

彼にはそれを伝え続けました

文章を書く時の彼の目はどんどん真剣になっていきました

文章の話をするときわたしの顔をまっすぐ見る彼の目は輝いていました

なにかひとつでも自信を持てたら…

 

「こんなに朗らかで顔もかわいい。絶対に誰にでも好かれる素敵な女性になれるよ」

勉強は苦手でしたがとにかく誠実で朗らか、

そしてついでに超美少女のBちゃんは

どんなに頑張ってもなかなか成績は伸びませんでしたが丁寧に見てくれる高校に進学し、

無事短大生になりました

近所のお店でアルバイトをしているBちゃんは本当に朗らかで美しく、

いつもひとつサービスをしてくれます

他のお客さんへの対応や、笑顔の奥に、彼女の誠実さと素直さがあらわれています

本当に、誰にでも好かれる素敵な女性になりつつあります

 

「そういうことがなにより大事。こういう子が社会に通用する大人になるんだよねえ」

やはり勉強は苦手で、口数も少ないCちゃん

でも絶対に忘れ物をしないし、頼んだことを絶対に守ってくれます

正直、入試での面接試験が心配なほどおとなしく、将来も案じていました

でも、わたしが忘れているくらい小さな約束も、

彼女はしっかりと覚えていてくれます

それに気づいた時思わず小さな声でつぶやいたのです

勉強だけができることより、ずっと大事なことなんじゃないか、本気で思ったのです

入塾当初から消極的すぎて使った机や椅子の処し方もわからず

そのまま帰るような子でしたが

いつのまにか誰よりも机の上をきれいにし、

イスもきちんと整えて帰るようになりました

 

「君たちは最強の中学生になるんだ」

小学生男子3人を前に言い放ちました

百マスはビリでいい、どんぐり以外はやらなくていい、漢字練習も計算練習も

本当はやらないでいい、(本当にやらせないでほしい…)

ここで丁寧にどんぐり問題を解こう

ゆっくりでいい、正解が大事なんじゃなく、考える過程をわたしに見せて

漢字は一個だけ、しっかり塗って、一回だけ、しっかり書いて

で、見つめて、目をつぶって、頭の中で書いて

それだけで、練習はいらない

わたしを信じて、それ以外の訓練はしないでね

3人で、最強の中学生になろう。

だから、面倒がらずどんぐりだけは真剣にやって。

ひとりひとり、進化のスピードは違いますが確実に進んでいます

あとはどうかどうか邪魔しないで…と願うばかり…

最強の中学生、という言葉にぴぴっときた3人の表情は凛々しくなりました

 

場面は変わって昨日は地域のカルタ大会

群馬県では「上毛カルタ」という郷土カルタが小学生の必須カルタで

子供会(育成会)に所属していると競技会に出場できます

今年度わたしは初めて審判員をすることになったのですが…

まずはルールの講習会から

小学生の頃からわたしも経験していますから、全読み札と絵柄は暗記済みですが

細かいルールについては初めて知ることも多く、大変勉強になりました

さてそしていよいよ地区予選当日

わたしはびしっと髪をまとめて

口元をきりっと結んで

正座して団体戦(3人対3人)の選手を待ちました

用事があって小学校に行くと「覇気がないなあ~」「挨拶しないな~」「生意気だな~」と

ダメな点ばかりが目についていたこの小学校の生徒たち(特に高学年)

やはりだらだらとマイ座布団を引きずって現れて

初対面の大人であるわたしに向かって「ここでいいの~?」と…

「はい。○○チームですね。ここですよ。」

わたしが丁重に答えるとなんとなく目つきが変わったように…

何を聞かれてもあえて表情も変えず、

必要なことをきちんとした言葉で毅然とした態度で伝えました

悪ふざけし始めた子にはひとこと低い声で「はい、もう集中しましょうか」

試合中もトラブルや乱れはなく、

結果的に、低学年大会と高学年大会2日間通じてわたしは

13試合ほど審判をしましたが、

試合中にふざける子、おしゃべりする子、文句を言ってくる子には出会いませんでした

「もう~大変!」と嘆いている審判もいたので

わたしの運がいいのかしら、と思っていましたが、

同じチームのメンバーがとなりのコートで試合をしていた時

審判員に向かって「ひいきするなよ~」「今のこっちだろ~」などと暴言を吐いているのを目撃

その審判員は1枚とるたびに「あ~惜しいね~」「今のはこっちかな~」などと

優しく反応していたので、子どもたちも甘えていたのでしょう

でも、1枚1枚とにかくいちいち騒いでいて、

とてもさっきわたしのコートにいた子たちとは思えない別人っぷりでした

最後の試合のあと自分の名札として貼り付けているシールを丸めて投げて遊びだした子どもたち

そしてそれを「ねえ、審判さん、これ捨てておいて。」

「自分で捨ててください。」

そりゃそうか…とその子は表情を変えましたが、試合後のわたしは顔は笑顔です

子どもたちがリラックスすべき時は水を差すような表情はしません

でも、甘やかすような、その子のためにならないようなことはしません

選手が去った後、コートの後片付けをしていると

最後の試合の選手がひとり黙って残って手伝ってくれました

「ありがとう、助かったよ」

と笑うと

その子も笑って去っていきました

 

子どもがかわいいからとただ優しくしても、その子のためにはなりません

子どもだってそれはわかっていて、大人の何気ないひとことや態度を

思ったより敏感に感じ取っています

 

大人は大人として、時には毅然とした態度で

時には童心にかえって、

子どもたちとのいい時間を過ごしたいものです

そして特にわたしたちは

発言に気をつけなければなりません

子どもをとりまく豊かな環境の一員として

《2013年 12月2日投稿》

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