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53.便利グッズと子育て

主婦の方なら

テレビ番組の特集や主婦向け雑誌などで

「便利グッズ」としてたとえばキッチン用品のことを知ると

興味が湧いて、なんだか欲しくなってしまいますよね

で、購入したとします

たとえばじゃがいもの皮があっというまに剥けるとか

キャベツの芯が簡単にとれるとか

レンジで焼き魚や蒸し料理ができるとか

購入後、何年も活用し、

かけがえのないパートナーとしてその道具を大切になさる方もいるでしょう

でも、多くの場合、いつのまにか使わなくなって、

キッチンの引き出しにはそんなものが詰まっていたりして…

かと思えば「捨てる」「片付ける」が流行することもあり

「1年使っていないものは捨てましょう!」と叫ばれ、

数々の便利グッズが処分されることもあったりします

…安易です(笑)

でもまあ、便利グッズに興味が湧くのも、単調?な主婦業のアクセントとして

楽しみのひとつとして別に悪いことではありませんよね

別に高価な買い物でも取り返しのつかないことでもない、かわいいものです(笑)

 

でもたとえば私の場合、

あまりそういった買い物はしません

小さな家の小さなキッチンでスペースに余裕がないのもありますが、

包丁とまな板で大抵のことはできるだろう、と考えるようにしています

大好きなアボカドをきれいに切るための「アボカドカッター」は持っていますが

ちゃんと10年以上使い込んでいます(笑)

他に、そんなに特化したものは持っていないと思います

わたしにとって引き出しや机の上は自分の脳の中と一緒で

毎日やることが山ほどある中で、特殊なものがごちゃごちゃとあると

とても余裕がなくなってしまいたぶん、日常が混乱することでしょう

できるだけシンプルにしておきたいのです

主婦でもあり、自営業者でもあり、もちろん母業も娘業も地域や学校での役割も

人並みにあります

でも余裕のない毎日はいやですから、

子どもと過ごす時はできるだけゆったりとした気持ちになれるよう

優雅に浮かぶ白鳥のごとく、水面下ではじたばたするというような状態で

ひとりの時には必死に動いているのですが(まあそううまくいかないこともありますが)

そのためには周囲を整然と、シンプルにしておく必要があるからです

 

便利グッズに興味が湧くのと似たような状況で

「子どもの教育方法」を選ぶという心境はありませんか?

 

先日、とある人から教育相談を持ちかけられました

わたしの職業を知っての相談でしたが

「(子どもの習熟度が低く)担任の先生に、宿題を徹底的にやらせるよう言われた」

と話し始めました

そして驚くことに(驚くことでもないのでしょうけれど)

「困ってしまって、早速KMN式の体験学習に行かせてみた」と言うのです

KMN式では、

体験学習で「どこからつまずいたのか」たくさんの計算問題をやらせてみてそこをみつけ、

さかのぼってそこをスタートに教材を始めます

どっさりと宿題としてプリントを渡され、

結果的にはその子は学校の宿題とKMN式の宿題に圧迫されている状況でした

そもそも学校での学習を習熟し切れていない、という子ども自身からの問題提起があるのに

そこへ足し算してしまった事例です

 

また別の人から相談を受けました

最近、大人気の進学塾があります

毎週のようにカラーの大型広告を新聞折り込みで入れる県内最大手塾です

わたしもかつて進学塾に勤務していましたから、広告費や内容のからくりなど想像しながらも

人気があるのには事業経営の実力があるんだし、

そこをユーザーが選ぶ自由もあるさ、とは思っているのですが

最近そこを退塾した親子からの情報では

大人気過ぎて(?)教室はぱんぱんで

隣の人との距離はなく、後ろの人の足が自分のイスの下にある、といった状況だとか

大人数授業の経験もありますが、それにはそれのメリットがあり

全体の雰囲気を作ってぐっと牽引していく、というところや、

わたしの場合気になる子がいればどんなに大人数でも目は離しませんが

大人数ということを利用して色々な話もしやすかった覚えがあります

だって、少人数の場合、わたしがなにか話せば直接自分のことを言われているのだと

ばれてしまうから(笑)

いずれにせよ中学生にもなれば自分で奮起するしかないのですから、

大人数にせよ少人数にせよ、自分の学習の足しになる方を選択すればよいのです

その塾の呼び文句がすごいのです

「この問題を15秒で解けるようになる!」とか

「入試問題的中!今年も配布します!」とか

…そうです、当然ながら上位高校に合格するための手ほどきであり、

それさえ手にすれば入試突破への近道を教えてもらえるような

それさえやっておけば安心できるかのような

そんな手法なのですが(まあ、どこも同じですね、進学塾ですから)

相談してきた方はそれについてどうなのかという内容であり…

わたしは、そんな近道を教えてもらっても無駄だと思うし

合わせれば百科事典の何倍もの厚さの問題集からの的中はそりゃあ何問かはあるでしょうし

となんとなくこたえたのですが

要するに親も子も、「じゃあそこへ行かないと…」という不安をどう抑えればよいのかと言うのです

これには

以前から理解はできても共感はできないので、知人としてどうこたえるべきか考えてしまいました

でも、

わたしと同年代の子を持つ友人数名に尋ねてみても

「そりゃあ、不安。そしてそういう情報には惹かれる」

というのです

わたしは初めて出産して我が子と出会った時から

おそろしいほど送られてくる教育関連のDMなどに心を動かされたことは一度もないので

そのことは当時、母ともよく話したのですが

やはり実際の利用者数からしても多くの人が「必要」と感じているという事実

でもそれは「不安」を解消するためなのでは、という実態

出産どころか結婚もしていない10代の頃から

なぜか自然派育児に興味を持ち、子どもの発達について独学していたわたしには

なぜ子どもが育つ過程をそのまんまにしておかないのだろう、と

逆に不思議で、多くの人が不安であることが不安で仕方なかったのです

わたしたち大人が余計なことをしなければ、子どもはぐんぐん伸びるのに

幼い頃からの積み重ねもありますから、そこはなかなか難しく、

入試が近づいてますます不安になり、的中する問題集をもらえるならもらうに越したことはない、

それがお守りとなって頑張れるならそれはそれでいいんじゃない。とも思いますが…

そのためにいったいいくら使うのでしょう、お金を…

そして、どれだけ精神を酷使するのでしょう、親子で…

不安を解消するためにお金と時間を使い、

予想問題が的中し、うまいこと希望の高校に合格したら

人生、勝利!万事OK!

 

…でしょうか

 

我が子が自分で考え、自分で選択した受験勉強の方法なら応援しましょう

でも

親が不安がる必要はないのではないでしょうか

赤ちゃんの頃から、不安で、周囲と同じように、いや、周囲よりできるだけ秀でるように、と

お金をかけて「教育」を施し、

結果的に我が子は「自分で考えて決める」ことを退化させていませんか

そこが退化した子に、急に受験勉強せよとせき立てても

そう単純にことは運ばないでしょう

仮に予想問題が的中し、難問が15秒で解け、希望高校に合格しても

その先の人生どうやって進んでいくのでしょう

誰がその先の予想をしてくれるのでしょう

難問を突破する簡便な方法を誰が教えてくれるのでしょう

 

子育ては、キッチンの便利グッズのように安易に考えてはいけないのです

その時わっと必要を感じても、その先ずっと意味のあるものであるかどうか

生かされていくかどうか考えなければなりません

みんながやっているから、みんなが行っているから、

子ども自身が行きたがるから、やりたがるから、と

限られた子どもの貴重な時間、

本当に限られた、思考力を豊かに育てられる期間、

そして中学生に至っては「自立」のチャンスを得る機会、

本当に必要で、決して成長の妨げにならないという確信もないまま

費やしてはいけないのです

KMN式しかり、進学塾しかり、習い事しかり…

親としてまず整えるべき部分があり、

足し算の前に確認すべきことがあります

 

我が子がどんな困難も乗り越え、自力で強く生きていってくれることを

親なら誰しも望んでいるはずです

 

そのためにはどう育てたらよいか

便利グッズは存在しないし、

必要もありません

 

リンゴの芯抜きは買ってもいいけれど、

子どもの能力を簡単に塗り替えたり上書きしたりするグッズは

どこにも売っていないですよ

《2014年 1月22日投稿》

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